公的年金の不信・不安・誤解の元凶を斬る!
本, 坪野 剛司
によって 坪野 剛司
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内容(「BOOK」データベースより) 年金制度は本当に崩壊・空洞化しているのか!?ちまたにあふれる年金制度への批判・不満のもとにある無理解・誤解を、辛口かつわかりやすく解く。 内容(「MARC」データベースより) 年金制度の不信・不安・誤解の元凶はどこにあるのか? 日本の公的年金の概要をやさしく説明。今の制度を定期的に微調整するという観点から、現行制度への大いなる誤解をとき、さらに「抜本改正」の論点を斬る! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 坪野/剛司 1937年山口県生まれ。1960年横浜市立大学文理学部卒業。1960年厚生省入省。1982年社会保険庁総務課数理調査室長。1985年年金局数理課長。1991年総理府社会保障制度審議会事務局年金数理官。1994年内閣官房内政審議室内閣審議官。1996年厚生年金基金連合会常務理事などを歴任。2001年全労済参与・共済計理人。厚生年金基金連合会参与。(社)日本年金数理人会評議員・顧問。日本年金学会幹事。東京工業大学大学院非常勤講師。早稲田大学大学院非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
ファイル名 : 公的年金の不信-不安-誤解の元凶を斬る.pdf
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著者は元厚生省(現在の厚生労働省)数理課長であり、公的年金のロジックを知り尽くした人物である。従って書名は過激だが、正確な知識に基づいて現行制度を擁護している。今まで発行された年金に関する本には書かれていないことが多いので参考になる。以下いくつか論点をあげる。未納問題については、第一に、40年間保険料を完納してはじめて80万円の老齢基礎年金がもらえるが、1年間保険料を納めないと2万円ずつ年金額が減らされるので結局本人が損である。市区町村から国に事務を移管したことに徴収率低下の一つの原因がある。未納者には運転免許の更新やパスポートの発行を認めない等の対策が提案されていること等を述べている。どうして税方式にしないのかについては2つの論点を挙げている。第一に税方式にすれば老後に収入が多いと年金が支給されない所得制限が導入される可能性が高く、拠出制の理念と矛盾してくること。第二にサラリーマンは源泉徴収、自営業は申告納税であるため所得補足率の差から不公平が生ずることである。専業主婦の第3号被保険者の問題については、収入が無い専業主婦が保険料を納めない仕組みは当たり前であり、ドイツの識者からは「収入の無い専業主婦の老後まで公的年金でちゃんと面倒を見ている。」と評価されていることを指摘している。但し、著者は拠出制の理念から在職中支給停止に反対であり、今回の法改正の「マクロ経済スライド」も公的年金のインフレヘッジという利点を減じるとして批判的だ。本書の登場により年金に関する議論に厚みが加わることは間違いない。年金問題が政争の具にされて不要不急の「抜本改革」によって社会保険庁のシステム開発・維持の費用が跳ね上がれば、結局そのつけは国民にめぐってくるのだから。
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