柳宗理 エッセイ
本, 柳 宗理
によって 柳 宗理
4.7 5つ星のうち 10 人の読者
ファイルサイズ : 29.08 MB
商品説明 柳宗理の名は、日ごろあまりデザインに馴染みのない読者にも広く知られているだろう。テーブルウェアのような小物から、歩道橋や自動車、オリンピックの聖火台のような大掛かりなものに至るまでその活動の幅は広く、それらの作品のなかには「バタフライ・スツール」のように海外でも広く知られているものも少なくない。しかし、作品の高い知名度と比べてみても、柳その人が語ったデザイン観は不思議とあまり話題に上らなかった。88歳を迎えた著者・柳が初めて刊行したエッセイ選集である本書は、日本のプロダクトデザインをリードしてきた重鎮の軌跡が軽妙な言葉によってつづられた、今までの遺漏を埋め合わせて余りある1冊となっている。 本書には折に触れ書き留められた多くのデザイン論が収録されているが、なかでも著者のデザイン観が最も凝集されているのが冒頭の「アノニマス・デザイン」であろう。著者は匿名の職人によって作られたジーパン、野球のボール、ピッケルなどに「その土地土地の生活の用に準じて、忠実に素直に作られている健康で平穏な美しさ」を見出してそれを「濁流渦巻く現代文化への清涼剤」として位置付けている。この部分だけを読んでいても拍子抜けしてしまいそうだが、しかしこの視点は伝統的な「用即美」の境地とほぼ同一のものといってよく、シンプルにして質実剛健なデザインこそ著者の希求するものであったことを他の多くのデザイン論や雑感からも読み取ることは難しくない。 言うまでもなく、このような「アノニマス・デザイン」へのまなざしは民藝運動を展開した美学者である著者の実父・宗悦の大きな影響下に形成されたものであり、本書の後半にも、宗悦が創設した日本民藝館の館長を務める立場となった今、あらためて実感されるその業績の偉大さを回顧する断章が挿入されている。親子2代にわたって受け継がれた民藝運動の理念を「蛙の子は蛙」と言って済ますのは安直に過ぎるというほかない。(暮沢剛巳) 内容(「BOOK」データベースより) プロダクト・デザインのパイオニア柳宗理が88歳を迎えて刊行する、初のエッセイ選集。デザイナーの「服」と「手」がこの一冊に。 商品の説明をすべて表示する
ファイル名 : 柳宗理-エッセイ.pdf
柳宗理 エッセイを読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
日本を代表するデザイナーの1人、柳宗理。氏の物作りに対する姿勢が、読みやすい文章で語られています。人・国・文化・その時代に対する愛情が感じられ、明確に好き・嫌いを発言されているのも、読んでいて好感がもてました。身の回りにある製品を見て「良いものとは?」と、考えさせられます。デザイナーといわず、物を作るのが好きな人に幅広くお勧めします。
0コメント