グラウンドの空
本, あさの あつこ
によって あさの あつこ
3.6 5つ星のうち 10 人の読者
ファイルサイズ : 23.12 MB
甲子園に魅せられ地元の小さな中学校で野球を始めたキャッチャーの瑞希。ある日、ピッチャーとしてずば抜けた才能をもつ透哉が転校してくる。だが彼は心に傷を負っていて──。少年達の鮮烈な青春野球小説!
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この本を手にとったときは、バッテリーの2番煎じだろうなぁと嘲笑半分でした。私がバッテリーに夢中だったのは中学生。今では大学生。思い出補正の激しいバッテリーに、この本が敵うはずはないと。しかし、読んでみれば胸がギュッとするようなやり取りばかり。野球がしたい。だけど、ピンと来るピッチャーがチームにいない。野球がしたい。だけど、昔に背負った傷が重すぎて出来ない。野球がしたい。だけど、上手く噛み合わない。野球にかける熱さも情熱も思いも人それぞれ。人には個性があるからこそ、言葉にしても上手く伝わらないことがある。言葉を押し付けすぎて、空回ることもある。けれど、言葉にしなければ何も伝わらないから、必死に言葉を紡ぐ。そんな、野球一途な少年たちの静かに燃え上がる情熱を感じ取ることが出来ました。野球成分が薄いのが残念ですが、そちらは続編のグラウンドの詩で補給できるのでしょう。青春野球小説のジャンルにおいて、あさのあつこの右に出るものはいない。そう確信した1冊でした。
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