ゼロの焦点 (新潮文庫)
本, 松本 清張
によって 松本 清張
3.6 5つ星のうち 62 人の読者
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内容紹介 前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺"として処理されていた夫の姓は曾根であった! 夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。 内容(「BOOK」データベースより) 前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は曾根であった!夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 松本/清張 1909‐1992。小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。’58年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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松本清張の最高傑作という呼び声もある作品を大きな期待をもって読み進めた。私の感想を一言で言えば、「点と線」で得た精緻な推理小説の完成度や、「霧の旗」で感じたストーリーの面白さや強烈な印象と比べ、どこか物足りない不完全な感じを受けた。禎子が結婚後1ヶ月も経ずして夫が失踪する。失踪先の金沢に行ってあらゆる人と出会い推理を働かせていくのだが、素人の設定なだけにその推理の鋭さに、どこか違和感を覚えた。また、ありとあらゆる伏線が最後の結論に必要な要素として過不足なくちりばめられているわけではなく、読後もなぜといった疑問が若干残る仕上がりになっている。比較的清張初期の作品であるが、「点と線」の方がもっと早く上梓されていることからわかるように、清張は意図的にあいまいさを残す作品を作ったのではないか。完成度が低いというのは簡単だが、清張は素人に推理をさせて、最後まで逡巡する様子を小説にまとめ、それを読者に読ませきろうとした。やはり、並大抵の筆力では為せない技と言える。
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