マイコン・ウォーズ (文春文庫―最前線報告シリーズ (356‐2))
本, 田原 総一朗
によって 田原 総一朗
4.8 5つ星のうち 1 人の読者
マイコン・ウォーズ (文春文庫―最前線報告シリーズ (356‐2))を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
文庫は1984年に出ていますが、単行本の発売は1981年の12月。僕が生まれてちょうど1年たった頃。こういうコンピュータ関連の、とりわけ日本を中心とした時代考証本は、読んでてメチャクチャ面白い。で、しかも著者は田原総一朗なんで、政治の世界にも話を繋げているのでなおさら。ビル・ゲイツが「ビル・ゲーツ」だったり、パソコンのことを「パーコンと呼ばれることもある」と注釈されていたり、キーボードが「キー・ボード」と表記されていたり、そういった端々から見える"過渡期感"が本当に、面白い。こういった本には間違いなく出てくるのが西和彦と嶋正利。この二人が登場すると、僕個人としては俄然盛り上がります。二人の証言・コメントがいちいち最高でした。しかし、約30年前に書かれた「IT」という言葉も出てこないこの本を読んでいて、大筋ではこの本の通りになっているのに驚きます。OA(オフィスオートメーション)化、半導体産業の盛衰、電電公社(!)のINS(後のISDN)構想などなど。これを見ると、誰かが未来を予測できていたのではなくて、誰かが作ろうとした未来になったのではないか、と思いたくなります。「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」とはアラン・ケイの言葉。まさにそれを実行した人、実行してきた人がいると。そして、それら少数の人たちの掌の上で、悲喜こもごも踊らされている人たちがいると。最近読んだ『マイクロソフト戦記』、『iPhoneをつくった会社』でも思いましたが、やっぱりビジョンと実行力、それを強烈なレベルで兼ね備えた人たちというのが、世界を創る権利を得ることができるのだなぁ、と。さらに、世界を創り続けるのに必要なエネルギーのすさまじさ・・・やっぱり男子たるもの、そういうところを目指して生きてみたいと思うわけです。
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